DEAR 2nd 〜Life〜
いっちゃんが加わり、お茶会は突然にぎやかに。
…かと思えば
────…♪…
いっちゃんはタルトを食べた後、突如ギターを弾き始めた。
滑らかなメロディーに、どこか懐かしい感じのバラード。
───…これって…
「───やばぁい!
ここのパートがどうしてもうまく弾けない~!!
このままじゃ純に殺されちゃうよ~!!」
真剣に楽譜を見つめ、唸るように指を動かすいっちゃん。
ってことはやっぱり…
「───その曲…」
「……あれ?
もしかして彩ちゃん純が作った新曲知ってるの?」
今のゴローちゃんの一言で確信。
やっぱりこの曲、朝岡さんが作曲したやつだ。
「知ってるっていうか…
前にCD貰ったの。
この曲に詞を書いてって…」
“───…俺は…
約束守るつもりやったからさ。
離れてる間も
ずっと彩の事思ってた。
いつかまた絶対会えるって…”
────…そう。
この曲は、二人が離ればなれになった時に朝岡さんが作った曲。
朝岡さんが曲を作って、
あたしがそれに言葉を乗せる。
それを朝岡さんが歌うっていう約束のカタチ。
「……そっか。
───だからか♪」
「え…何が?」
“意味が分かった”って顔をしてるゴローちゃんにあたしは首を傾げる。
「───いつもより優しい曲だから。
きっと、彩ちゃんの事思ったからこんな優しい曲作れたんだろうね。」
「え…」
───…優…しい…
───…♪…
いっちゃんが必死に紡いでいる音に耳を澄ませ、何故かあたしまでもが泣きそうになった。
……優しいバラード。
どこか悲しくて、でも綺麗で切なくて。
…───その音の旋律に、
離れていた間の朝岡さんの寂しそうな背中と
“また会える”と信じてくれていた朝岡さんの姿が重なる様な気がして。
「───…その曲ね、
“key”っていうんだよ」
「“key”…」
「うん。
純が初めて好きな人の為に作った曲なんだって…」
…───音楽は
心そのものを映している鏡みたいなものだと思った。