DEAR 2nd 〜Life〜
「そんなことないわ♪
あたしと昴だけだったら、もっともっと大変だもの。」
「──?呼んだかい?
──あっ、彩ちゃんじゃないか!」
「先生、こんにちは♪」
陽子さんの会話でひょっこりと姿を見せた昴さんに、あたしはお辞儀をして挨拶を交わす。
────昴さんは、ここの院長先生。
……と言うか、陽子さんの旦那様。
歯医者になって、若いながらこの歯科医院を開院し、まもなく陽子さんと結婚したらしい。
「───何だい?
二人して僕の悪口でも言ってたのかい?」
「そうよ♪もっと真面目に働けーって。
ね、彩ちゃん♪」
「あはははっ♪」
「ったくヒドイ奴らなぁ~。」
昴先生は頭をポリポリ掻きながら、奥の部屋へと消えて行った。
「ふふっ。からかいがいある人でしょ、昴って♪
───さっ♪
今日も気合い入れて頑張りましょうか♪」
「───はいっ♪」
そう返事をして、二人揃って診療室へと向かう。
……あたしは、小さいながらも温かい雰囲気がするこの歯医者が好きだった。