DEAR 2nd 〜Life〜
「───…会いに…
行かなきゃ…」
ただ漠然とそう思った。
今からでも遅くないなら許してくれる?
───あたし。
もう朝岡さんから逃げたくない。
ほんとは事実を知られるのが怖かった。
…───ううん。
まず事実を受け止めようとはしなかったあたしが悪いね。
知られたくないから単に“話せない”って理由に変えてただけ。
……知り合って今日、昨日の仲じゃないのに。
ずっとあたしを見守ってくれた四年があるからこそ、逆に信じなきゃいけなかった。
───…朝岡さんを信じてなかったあたしが悪い。
「───…話そう…」
話さなきゃ。
それであなたに同情なんか求めてない。
ただ“起こった事実”をあなたに話すだけ。
そこからは悲しいけど、引くも、離れるも、別れるもあなた次第だと思う。
あたしはどんな結末が待っていたとしても変わりはしない。
それよりこのまま背を向けたままはあんまりだ。
────…♪~~♪~
決心に賛同するかのように鳴った着信音はマリアから。
─────…ピッ
意を決して通話ボタンを押し、ケータイを耳に翳した。
「…もしもし…」
『───あ、彩?あたしだけど……
今日ごめんね、バンドの音合わせあって帰り遅くなりそうなんだ…』
「…え…」
────音合わせ…
『もし家来るならさ、スペアキーで開けて先入ってていいからね。
あと──…』
「───マリア、あの」
『ん?』
“音合わせ”って事は、
絶対に朝岡さんもいる。
なら……
「───あたし…っ
あたしも今からその音合わせ練習行っていい…っ?」
『───え?』
決心が鈍らないように一気に言った言葉に、マリアは驚きの声を上げた。
『…彩?だって──…』
「───あたし…っ
やっぱり朝岡さんに会いたい───…っ……」
『…』
今まで散々避けてきて今さらって思われるかもしんない。
でも…
たとえどんなに非難されても
「───あたし朝岡さんの事好きなの…っ」