DEAR 2nd 〜Life〜
やがてバイクはスピードを緩め、完全に動きが止まる。
────キキィッ!
「……着いたよ。」
マリアの背中に貼り付いていたあたしがゆっくりと目を開き、見つめた先───…
────…ふわっ…
暖かい陽射しがキラキラ光る優しい景色。
やわらかな風が吹きすさぶ、見慣れたマンション前。
そこに
「────…」
シルバーの車体にもたれて、ヒマそうにキーを指でくるくる回してる。
「───…鈍っ。
全く気づいてないみたいだね~。
……このまま突進して引いちゃう?」
「───ダメっ!
も~マリアのバカっ!」
ヘルメットを慌てて取り、本気で企んでるマリアをたしなめる。
────…カツンッ…
足先をあなたに向けた。
この世で、一番大好きな人に。
「───朝岡さんっ!」
─────…
少し距離がある道の先で、あなたが振り向いた。
目が合った瞬間、嬉しそうに顔を弛ませて。
「───…彩!」
目尻を下げて、あなたがあたしの名前を呼ぶ。
どちらかともなく、二人は駆け寄って。
「……良かった。
遅いからやっぱり迎えにいこかなって思った。」
「あ、ごめん…っ」
「…──いいよ、行こう。
マリア~!!サンキューな~」
朝岡さんが声を張り、向こう側でハンドルを握るマリアに手を振る。
━━━━━ヴォォ…!
マリアは一瞬口端を上げ、あたし達二人に手を振って行ってしまった。
「……さ♪
俺らも行きますか♪」
────カチッ!
朝岡さんの声と同時にドアロックが外され、朝岡さんはあたしの手を取ってドアを開けた。
「───どーぞ♪」
「……ありがと…」
促してくれた助手席に、まだ全然慣れなくておずおずと収まるあたし。
────…パタン。
それを見届けて、朝岡さんはドアを閉める。
その時サイドガラス越しに偶然目が合って、笑ってくれて。
「…、」
何だか照れくさくて、真っ赤になってうつ向いた。
朝岡さんはそんなあたしの様子に更に小さな笑みを溢し、運転席側に歩いていく。
こんな何気ない瞬間も幸せだ。