DEAR 2nd 〜Life〜




陽子さんは何かを思い出したように遠くを見つめながら、






「……あたしね、特になりたいものとか目指すものもなくって。



とりあえず、資格取って働いて……


そのうち、何か他に興味あるものとか出来たらそっちに移ろうかなぁって考えたの。



──…だから、資格取ってからでも遅くないかなって。」






「─────…」





「……ま、やりたいこと見つける前に恋しちゃって結婚しちゃった訳だけど。


あたしにはこれでよかったなぁ……。」






陽子さんの考えを聞いて、固い頭に衝撃が走った。




───そっか……。



そんな考え方もあるんだ……!



今まで進路=未来って決め付けてた……。



その考えに捕らわれ過ぎていた……。




でも資格取ってから、

“その後”を見据えてもいいんだ……!




もし見付からなくても資格あったら役に立つし…。




そっか……!


そっかぁ………!!!






「陽子さん、すごいっ!!!!」



「え?いや、別にすごくないよ?」




「ううん!!すごいです! 

今のあたしに、すーっっごいタメになりましたもん!!!!



そんな考え方、今までしたこともありませんでした!」







──…もう、どうしてこの道選ぶんだとか深くは考えない。






あたしはあたしなりの

“理由”を見つけた。






“とりあえず”はやがて糧になる。







────…決めた。








「あたしも歯科衛生士、

目指したいです……!」







───もう迷わない。







自分の



進むべき道。


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