DEAR 2nd 〜Life〜
「…──俺との事は忘れて幸せになれよ。」
ここだけハッキリ聞き取れた朝岡さんの声。
「───…」
その場に凍り付き、動けなくなったあたしに徐々に理性がなくなっていく。
聞かなきゃ…
でも足…
足が動かない。
モタモタしてるうちに二人は別れ、朝岡さんはケータイで誰かと話し始めた。
「───…もしもし?
俺やけど。
あぁ、うん。
連絡遅くなってごめんな。今どこ?そっち行こか?」
ドクン、ドクン───…
あたしは息を殺し、やっとの思いで朝岡さんの近くに辿り着く。
「───…うん。
妊娠も性病も何もなかったって…だから心配しなくても大丈夫。」
───…え?
今のってもしかしてあたしのこと…?
「…──うん。
じゃあまた近いうちにお前んとこ行くわ。
……はい?
お前は何を今さら言わすねん。
──…あぁ、はいはい。
…───愛してるよ、めっちゃ。これでえぇか?」
────…ドクン…!!!!!
「……っ、」
愛…してる…?
どうしてあたし以外の人にそんな事言ってるの?
会いに行くって誰に…
どこに……?
どう…して…
「───…っ…、」
━━━━━バサッ!
もう立っているのも限界で、あたしは抱えていた物を床に落とした。
「───!?!?」
朝岡さんはその音で直ぐに振り向き、すぐそばにあたしがいることに驚いて動きを止めた。
「…彩…?
何で…いつから……」
「……あ…さおかさんどうして……?
どうしてあたしの事喋る必要があるの……?
どう…して───…っ」
他の女に
“愛してる”
なんか甘い言葉
「……他に…そういう人いたんならさぁ…
ちゃんと言ってよ……?
あたし一人でバカみたい……」
「…は…?何の…」
「───とぼけないで!」
━━━━━バシッ!
あたしはkeyの歌詞を朝岡さんに当て投げ、その場を走り去った。
「彩!」
「来ないで…!」
朝岡さんを過信し過ぎて、気付かなかった“裏”。
あたしを好きだって言うのは建て前で。
全部、全部嘘だったの?