DEAR 2nd 〜Life〜




「───いってきまーす♪」





合格という証を胸に刻み、舞い上がりたい衝動を抑えながら部活に向かう。






「………ふふっ♪」





本当に、まだ興奮が冷めやらない。





嘘みたいだ。




嘘みたい。





つい先日まで何を目指そうかって事で焦っていたのに。





もう受験だからって何もかも我慢しなくていいんだ。




好きな事していいんだ──……。







──────ガラッ!






解放感たっぷりで部室のドアを開けば







「───えぇーっ!!!!



じゃあ、朝岡さんってバンド組んでるんですか!?!?」






──────……?






そこには、後輩達がキャーキャー騒ぎながら輪になって





「───…うん、組んでるで♪」






───…朝岡さんを囲んでいた。







……そっか。




朝岡さん、今日来てたんだ……。







「えーっ!!!!

じゃあじゃあ、朝岡さんは何のパートされてるんですかっっ?」





「───俺?



俺はヴォーカルやけど…」





「えぇぇっ!?!?!?!?

朝岡さんヴォーカルなんですか!?!?



きゃーっすごい!

歌ってる姿見たいです!!」






─────………?





何の話してるんだろ……?






「あ、じゃあこれあげるわ♪よかったらみんなと来て?」





「わぁーっ!!!!絶対行きます!!!!



朝岡さんありがとうございますっ!!!!」






朝岡さんはそう言って、忙しそうにみんなに何かを渡していた。





後輩達も黄色い声をワァワァ上げながら、朝岡さんに群がっている。






「……………」






……いいけど、ね。




別に。





朝岡さんはモテるし、周りから人気あるって最初から分かってるもの。






……うん、分かってる。






…………分かってる………





けど…………。








「────あ!彩!」






────ビクッ!






「………え……、」






ふてくされ輪に背を向けた瞬間、朝岡さんがあたしを見付けて呼び止めた。



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