DEAR 2nd 〜Life〜
────…ライブ終了後……。
────パタパタパタ!
相変わらずハンパない人波に揉まれては押されながら、あたしはさっきの部屋へと走っていた。
……未だ高ぶったままの感動を胸にして。
ライブはやっぱり紅が一番盛り上がったし、
見る限り、実力で紅に勝てるバンドは他になかった。
周りの様子を見たり聞いたりする限り、紅は学内を誇る本格的バンドであり、その実力は圧倒される程ホンモノ。
また、コアなファンが沢山いることでも有名だと言う。
───アマチュアの域を越える実力派バンド。
……あたしも頷く以外答えがないってぐらいそう感じた。
─────バタンッ!
やっと辿り着いた部屋のドアを開けると──…
「あーっ♪アヤヤーっ♪♪♪」
いっちゃんがひょっこり現れて迎えてくれた。
「───おっ、お疲れ様!!
もうもう本~~~ッッ当にすごかったね!!
あたし、感動して泣きそうだった……」
興奮覚めやらず、口から出るままに感想を矢のように言い放つと──…
「───…あはは♪
楽しんで貰えたみたいで良かったよ。
彩ちゃん、ぶっ倒れなかった?」
ゴローちゃんは爽やかに笑い、カタンと椅子に座った。
「ううん、大丈夫──…」
そう笑って言おうとした瞬間
「────あっつー…。
吾郎、そこのタオル投げて~…」
「はいはい。」
──────ドキッ…!
慌てて目を逸らしてしまう。
だっ…
だって
そこには
上半身がはだけてる朝岡さんがいるんだもの───……。
白いシャツから覗く、整った程よい筋肉とか。
滴る汗の雫とか──…
濡れた髪だとか──…
「・・・・・」
───…こっ、
これは目のやり場に非常に困る……
けど、ちょっぴり見たかったりして──…
……ってこれまた変態だよねぇ!?!?
嫌だぁぁぁもう~!!!!!!
一人また暴走しそうになっていると
「────…あーやっ♪」
─────くしゃっ♪
───────…!
いつの間にか、朝岡さんが目の前に移動して笑っていた。