DEAR 2nd 〜Life〜
「………あたし……
正直に言うと、朝岡さんにはまだ“恋してる”って言い切れないと思います。」
「───…なっ……」
───だって、
まだ心のどこかで忘れられない人がいる。
捨てきれない思いがたくさんある。
それが後悔と言う気持ちなのか、未練と言う名前なのか分からないけれど。
「…………じゃあ……!」
「─────でも……」
「……………ッ?」
でもね。
「────今……
朝岡さんに惹かれてるのは確かなんです───……」
───そう………
終わりが来るのなら、
始めない方が楽だと思っていた。
もう恋なんかしないって
一人でいる方がマシだって
───…そう思ってた。
でもね、
朝岡さんの笑顔を見る度に
朝岡さんの知らない事を知っていくうちに
「───…ゆっくり……
焦らずに、ちゃんと朝岡さんの事を考えたいんです──……
真剣に────…」
色んなあなたを見たい。
色んなあなたを知りたい。
色々消化してから、胸を張ってあなたに伝えたい。
今の彩はあなたを知らなすぎる。
それゆえに、きっとあなたを傷付けてしまう。
───時間が必要なの。
ぶんちゃんを忘れるのも、
朝岡さんを好きになるのも。
……もう、曖昧な態度であなたを傷つけるのは嫌だから。
「────そう………」
あたしの話を聞いてから、マリアさんは静かに呟いた。