その手で触れて、そして覚えて。

食堂に行くと、入り口に今日の日替わり定食がホワイトボードに書かれていた。

『A定食 ナポリタン/B定食 ハンバーグ』

それを見て、わたしたちは顔を見合わせ密かに笑った。

ナポリタン、、、昨日2人で食べた。
街風くんのワイシャツにケチャップの染みがついて、わたしが揉み洗いして乾燥機をかけて、それで、、、

思い出すと、少し恥ずかしくなる。

「B定食にしましょうか。」
「そうだね。」
「あ、昨日言い忘れましたけど、、、」
「ん?」
「ナポリタン美味しかったです。」

街風くんの言葉にわたしは「良かった。」と微笑んだ。

あぁ、ヤバい、、、

この感覚、、、

わたし、街風くんに、、、惹かれ始めてる。


お昼休憩後、街風くんは先に事務所に戻り、わたしは食堂にあるエスプレッソマシーンで珈琲を淹れていた。

すると、「お疲れ〜。」と紗和が近付いて来た。

「あ、お疲れ。」
「ねぇ、七花。最近、街風くんと仲良いね。何かあった?」

ニヤニヤしながら訊いてくる紗和の言葉に「えっ。」と照れくさくなるわたし。

「べ、別に何も。」
「ふーん。でもさ、街風くん。完全に七花のこと好きだよね。」
「え、何で?」
「だって、仕事中もチラチラ七花のこと見てるし、さっき相馬さんと話してる時なんてガン見してたよ?あれ、恋してるね。」

第三者からそう言われてしまうと、何だか改めて恥ずかしくなり、どこかで自分の勘違いなんじゃないかと思っていたことが、間違いじゃないのかも、、、に変わっていく。

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