その手で触れて、そして覚えて。
「今日から仕事一人でやらせてるから、聞きたいことでもあって見てたんじゃない?それに、わたしと街風くん12歳も年の差あるんだよ?」
わたしがそう言って誤魔化すと、紗和はわたしの肩に手を置き、真剣な表情をして「恋に年の差なんて関係ないよ?」と言った。
「好きになったら、年齢なんて関係ない。七花はどう思ってるの?」
「えっ、、、だから、わたしたちは12歳も、」
「年の差抜きにして。街風くんのこと、どう思ってる?ただの部下としか思ってない?」
紗和にそう言われ、わたしはずっと自分が"年の差"と"上司と部下"ということを理由に、自分の気持ちに蓋をしようとしていたことを実感し、紗和はそれを開けようとしている。
きっと、紗和は気付いているんだ。
わたしが自分の気持ちに蓋をしようとしていることを。
頭で考えてばかりで、言動に出来ないことを反省したばかりなのに、、、
「多分、、、惹かれてる。あの真っ直ぐさに。」
「七花、良かったじゃない!」
「えっ?」
「だって、離婚してからずっと仕事ばっかりで、トキメク事なんてなかったでしょ!街風くんは、その気持ちを思い出させてくれたってことじゃない!」
トキメク事、、、
確かに、離婚してからこの5年、全く無かった。
だからこそ、久しぶりの感覚に戸惑って、、、でも、そこには"年の差"と"上司と部下"という壁があって、自分の気持ちに蓋をして、自分に嘘をつこうとしてた。
「七花、わたしは応援するよ?」
「え!でも、、、」
「七花。もし、"年の差"と"上司と部下"ってことを壁に思ってるんだとしたら、それは七花が勝手に作り上げた壁だよ?そんなの、壁に見えてるだけで壁じゃない。」
紗和には敵わないなぁ。
何で、わたしの思ってることが分かるんだろう。