その手で触れて、そして覚えて。

次の日、わたしは出勤すると、真っ先に紗和の元へ向かった。

「紗和!」
「あぁ、七花。おはよう。」
「おはよ!ちょ、ちょっとこっち来て!」
「えっ?!」

わたしは紗和の腕を引っ張り、事務所外の廊下の隅に紗和を連れて行った。

「なしたのよ、朝から。」
「ねぇ、、、キスされたんだけど、どうゆう意味だと思う?」
「えっ?!誰に?!」
「、、、冬司。」
「冬司?冬司さんって、七花の腐れ縁の、あの冬司さん?」

紗和の言葉にわたしは紗和の腕を掴んだまま頷いた。

「何?突然キスされたの?」
「うん、、、昨日帰ったら、わたしの帰りを待ってて、一緒に晩酌してたら突然、、、」
「あら〜」
「何なの?!どうゆうこと?!」
「どうゆうことって、七花のことが好きだからキスしたんじゃないの?」

え、、、冬司が?わたしを、、、好き?

そんな馬鹿な!

「でも、好きとか言われたことないよ?!」
「もう七花の帰りを待ってるって時点で好きじゃないとしないでしょ。付き合いが長い程、好きだなんて恥ずかしくて口に出せなくて、ついキスしちゃったんじゃないの?」

紗和にそう言われ、なぜか腑に落ちてしまった。

わたしは、冬司を、、、恋愛対象として見たことが無かったけど、冬司は違ったのかな、、、

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