その手で触れて、そして覚えて。

「離してよ!」

わたしはそう言って、冬司の手を振り払おうとしたが、やはり男性の力には敵わず、冬司は手を離してくれなかった。

「俺のことブロックしただろ。」
「、、、、。」
「いくらLINE送っても既読もつかないから。」
「もう話すことなんて無いでしょ。」
「七花、、、お前、正気か?あんな小僧と付き合うだなんて。」
「わたしが誰と付き合おうと、わたしの勝手でしょ?何で冬司にそんなこと言われなきゃいけないの?」

わたしがそう言うと、冬司はわたしを壁に押しつけた。

「やめて。」
「なぁ、七花、、、考え直せ。あいつじゃ、お前を幸せに出来ない。でも俺なら、、、」

冬司はそう言いかけて、言葉を詰まらせた。

「俺なら、、、何なの?」
「、、、それは、俺の方が付き合いも長いし、、、そのぉ、、、」
「悪いけど、、、わたしは、冬司に恋愛感情を持ったことはないよ。いつも自分勝手で、自分の気持ちばかり押し付けてきて、、、付き合いが長いから何なの?ただの腐れ縁、」

とわたしが話している途中で、冬司はわたしの唇に唇を重ねてきた。

わたしはすぐに横を向き、避けようとしたが、冬司はわたしの両手を壁に押し付けて無理矢理キスをしてきた。

嫌だ、、、離して、、、

わたしの脳裏には颯生くんの顔が浮かび、"颯生くん、ごめん"と何度も心の中で繰り返し謝った。

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