その手で触れて、そして覚えて。
「七花さん?何かあった?」
「ううん、何も。大丈夫だよ。」
「でも、、、声が震えてる。」
颯生くんに心配かけちゃいけないのに、、、
わたしは何やってるんだ。
どうしよう、、、
何て誤魔化そう、、、
冬司のことなんて、言えるわけない、、、
「本当に大丈夫だから。心配かけて、ごめんね、、、。今、電話してて大丈夫なの?」
「あぁ、、、今、部長たちと居酒屋に来てて。どうしても、七花さんの声が聞きたくなっちゃって、ちょっとトイレだって席外して電話してます。」
「そうなんだぁ。本社行くと、飲みに連れて行かれること多いもんね。」
「そうなんですよね、、、だから、帰りも遅くなって"おやすみなさい"くらいしか送れないし、休憩時間の時も常に誰かと一緒に居るので、LINEする時間もあまりなくて。」
「仕方ないよ。研修で行くと、大体そうゆう感じだからね。」
久しぶりに聞く颯生くんの声。
久しぶりの会話。
落ち着く、、、
「そっちでも、女性社員に声掛けられてるんじゃない?颯生くん、かっこいいから心配、、、」
「その心配は必要ないですよ?俺は、七花さん以外の女性に興味ないんで。」
「颯生くん。」
「何ですか?」
わたしは、つい「会いたい。」と言ってしまいそうになった。
でも、そんなこと言ったら颯生くんを心配させてしまうだけだ。
わたしは「会いたい。」を呑み込んで、「頑張ってね。」と言った。
「はい、頑張ります。あ、じゃあ、、、そろそろ戻らないと。」
「うん、部長たちの相手も頑張って。」
「、、、また、時間作って電話しますね。」
「わかった。」
そして、電話を切ったあと、わたしは玄関で蹲ったまま泣いた。
颯生くんに、会いたい、、、