契約の愛で結ばれたのは、まさかの敏腕CEO!?~独占欲滾るスパダリは極上溺愛で囲い離さない~
 颯馬の表情を見ていると、茉莉花は不思議と笑えてきた。

(颯馬さんに会う前はあんなに怖かったのに……)

 恐怖と怒りと申し訳なさが混ざって、感情がおかしくなってしまったみたいだ。

「ふふっ、そんなに酷いことが書いてあるんですか?」
「そうですね。僕の怒りを買うほどには」
「そんなにですか」

 どうしてこの人はこんなにも優しいのだろう。
 茉莉花はそれが不思議でたまらなかった。

「正直今すぐ破り捨てたいのですが、証拠になりそうな物ですから僕が預かっておきます。茉莉花さんは必要な物を取ってきてくれますか? 部屋の中に人はいないと思いますが……僕も玄関まで失礼します」
「……分かりました。お願いします」

 結局、茉莉花は颯馬の家にお世話になることにした。

(この家が危険なのは確かだし、他に頼れる人もいない。この時間だとホテルだって今から泊まれるか分からない)

 颯馬の優しさにつけ込むようで良心が痛んだが、他に良い案も思い浮かばなかった。

 茉莉花は最低限の荷持をかき集めると、颯馬とともに再び車に乗り込んだのだった。


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