契約の愛で結ばれたのは、まさかの敏腕CEO!?~独占欲滾るスパダリは極上溺愛で囲い離さない~
 そして被害届を出した後、颯馬が買い物に連れて行ってくれたのだ。

「ほら、僕の部屋で暮らせるならその方が良いと言われたでしょう? 足りない物を買いに行きましょう」
「確かに言われましたけどっ……!」


 そうなのだ。
 優しげな警察官に「パートナーの方の家に一時避難をしているのですね。とても良い案です。落ち着くまでは是非」と言われてしまったのだ。

 そもそも恋人ではないと茉莉花は否定したかったが、その話を出すとややこしくなりそうで黙っていた。

 皆の前で「茉莉花さん、こんな時くらい僕を頼ってください」などと言われて、断れるわけもない。

「しばらくの間、お世話になります」

 と頭を下げるしかなかった。

 そういうわけで、茉莉花は本格的に颯馬の家で暮らすこととなったのだ。


(流されている気がする……)

 颯馬の優しさに甘え過ぎている。これで良いのかという気持ちは拭えなかったが、他の案も思いつかなかった。

◇◇◇


「茉莉花さん用の食器、こちらに入れておきますね」
「ありがとうございます」
「いいえ。茉莉花さんの物が増えて新鮮です」

 颯馬はいつになく上機嫌だ。
 あれこれ買い物をした時から、彼はずっと楽しそうにしている。

 そんな颯馬を見ていると、茉莉花の罪悪感もだんだんと薄れていった。

(颯馬さんが良いなら、これでいっか)


< 37 / 95 >

この作品をシェア

pagetop