契約の愛で結ばれたのは、まさかの敏腕CEO!?~独占欲滾るスパダリは極上溺愛で囲い離さない~
「13時の待ち合わせなので、余裕がありますね。ラウンジで少し話しましょう。それにしても……今日の茉莉花さんは僕には少し眩しすぎます。とてもお綺麗で」

 ホテルに向かう車内で、颯馬が前を向いたまま微笑んだ。

 茉莉花は颯馬の見立てで別人のような姿をしていた。
 会社に行く時のような地味な化粧とスーツではなく、ターコイズブルーのワンピースとベージュのボレロジャケットを身にまとい、髪やメイクも完璧にセットされている。

 全て颯馬の見立てとプロの技術の賜物だ。

 費用は茉莉花が支払うと申し出たのだが、「僕の都合で用意させているので」と断られてしまった。

(それにしても……親戚の結婚式だって、こんな高価な服、着たことないわ)

 自分でも変化に驚いていた茉莉花は、恥ずかしそうにはにかんだ。

「颯馬さんのおかげです。こんな格好をする機会なんて二度とないと思いますから、良い思い出が出来ました」
「またプレゼントさせてください。今日のお礼も兼ねて」
「そんなご冗談を……。こんな高価な服、何度も受け取れないですから」
「ははは、残念です」

 二人は和やかな雰囲気でホテル『ウィステリアン』に到着した。
 そのまましっかり打ち合わせをするはずだったのだ。

 それなのに――。



< 50 / 95 >

この作品をシェア

pagetop