契約の愛で結ばれたのは、まさかの敏腕CEO!?~独占欲滾るスパダリは極上溺愛で囲い離さない~
 ホテルの前で颯馬のご両親と会ったことで、茉莉花の頭の中は真っ白だった。

「茉莉花ちゃん、急なお願いだったのに来てくれてありがとうね。いつも颯馬がお世話になってるそうで……」
「い、いいえ。こちらこそ、いつも颯馬さんにはお世話になっているんです」

 慣れない高級ホテル。
 偽恋人のご両親。


 茉莉花のキャパは限界に近かった。

(ご両親はとっても優しそうだけど……目を合わせているだけで空気が薄い)

 通された場所は貸切となっている部屋で、茉莉花たち以外には誰もいなかった。

(想像してたラウンジと違いすぎるっ!)


 早めに到着したというのに待たされることもなく、完璧な案内によって座席に案内された。
 驚くほどホスピタリティが高い。

 颯馬の両親は慣れた様子で席に着く。

(えっと、スタッフの人が椅子を押してくれるのよね? ……こ、これで合ってる?)

 茉莉花も見様見真似でなんとか着席する。

(他の人がいても緊張するけど、颯馬さんのご家族だけっていうのも……やっぱり緊張する)

 高級ホテルに場慣れしている様子の彼らと同席しているだけで、茉莉花の手先はどんどんと冷たくなっていく。

 隣に座っている颯馬だけが頼りだった。



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