契約の愛で結ばれたのは、まさかの敏腕CEO!?~独占欲滾るスパダリは極上溺愛で囲い離さない~
 颯馬の言葉に茉莉花の肩がピクリと揺れる。

「僕との関係について、池内さんから何か言われたのではないですか?」
「ど、どうしてそれを?」

 思わぬ言葉に、つい返事をしてしまう。
 颯馬は「やっぱり」と呟くと、茉莉花の手をそっと握った。

「何を言われたのかは、大体想像がつきますが……。僕の方にも何度も連絡が来ていて、少しうんざりしていたんです。待ち伏せされたり、家族の名前を出されて無理矢理約束を取り付けられたりして。何度か注意したのですが……そろそろハッキリ言おうかと思っています」
「え? ま、待ち伏せ? 無理矢理?」
「ええ。茉莉花さんのご友人でなければ、もう警察に突き出していたでしょうね」

 物騒な言葉に開いた口がふさがらない。

(親しくしているんじゃ……? 優香の言っていた話と違う? この間会っていたのは優香が押しかけたってこと?)

 茉莉花が黙り込んで考えていると、颯馬の申し訳なさそうな声が降ってきた。

「お気を悪くされたら申し訳ありません」
「いえっ、大丈夫です。確かに最近優香の言動はちょっと変だと思っていました。私もどうすべきか悩んでいたので」
「池内さんがどんなことを言ったとしても、僕は茉莉花さんが好きです。それだけは信じてくださいね」
「信じていないわけじゃ……私では釣り合わないでしょう? きっと皆そう思うはずです」

 茉莉花が自嘲気味に笑う。
 卑屈な言葉を口にする自分が、ほとほと嫌になる。

 優香がどんな意図で茉莉花や颯馬に連絡するのかは分からないが、彼女の言った言葉は、茉莉花の胸に深く刺さっていた。

(釣り合わないだなんて、颯馬さんに言っても仕方のないことだわ)

 申し訳なくて、居た堪れなくて、茉莉花は黙ったままフレーバーティーを口に運ぶ。
 先程飲んだものと同じなのに、ほろ苦く感じた。



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