契約の愛で結ばれたのは、まさかの敏腕CEO!?~独占欲滾るスパダリは極上溺愛で囲い離さない~
「嘘ですよね、檜山さんっ……! こ、来ないで!」

 檜山は何も言わずに茉莉花の方へジリジリと近づいてくる。
 酔っぱらっているのか、目が虚ろだ。

 茉莉花はどうにか部屋を出ようとするが、あっという間に檜山に手を掴まれてしまった。

「離してっ!」

 悲鳴のように叫ぶと、何やら部屋の外が騒がしくなった。



ドンドンドン、ガラッ。

 大きな音とともに部屋の戸が開かれる。

「茉莉花さん! 無事ですか!?」

 聞きなれた声とともに颯馬が部屋に入って来た。
 その後ろには、以前お世話になった女性弁護士と警察官もいる。

「そ、颯馬さん!」

 茉莉花は残っていた力を振り絞って檜山の手を振り払い、颯馬のもとに駆け寄った。
 ぎゅっと抱き着くと、優しい腕が茉莉花を包み込んだ。

「もう大丈夫ですよ。遅くなって申し訳ありません」

 茉莉花は颯馬の胸の中で首を横に振る。
 安堵で涙が止まらなかった。


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