契約の愛で結ばれたのは、まさかの敏腕CEO!?~独占欲滾るスパダリは極上溺愛で囲い離さない~
 その日の夜、茉莉花は初めて颯馬の寝室に入った。

「今夜、僕の部屋で一緒に過ごしませんか?」

 という提案を、茉莉花は受け入れたのだ。



「どうぞ」
「し、失礼しますっ」

 颯馬の寝室は、ネイビーと白の壁紙にシンプルな家具が置かれた部屋だった。
 背の本棚には、IT関連の本や喫茶店のノウハウ本がぎゅうぎゅうに収められている。

 付箋が貼ってある本も多く、彼が読み込んでいるのがよく分かった。

(すごい……こんなにも努力されているのね)

 部屋を見渡していると、颯馬が照れたように笑う。

「そんなに物珍しいですか?」
「いえ、颯馬さんのお部屋って感じがします。すごく居心地が良さそうです。それに、私も頑張ろうって思えました」

 感嘆しながら軽く本棚を指さすと、颯馬は納得したように頷いた。

「僕も茉莉花さんからたくさん刺激を貰いました。毎日勉強している茉莉花さんの隣にいると、僕もやる気が出てくるんです」


 ベッドに腰かけた颯馬が軽く手招きをしている。
 茉莉花は熱くなった顔を隠すように、俯きながら隣に座った。

 颯馬はそっと茉莉花の髪を耳にかけると、顔を覗き込んだ。


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