俺様同期の執着愛
「別れた理由を訊いてもいい?」

 私はすっかり冷めきった唐揚げの残りをかじりながら訊ねた。
 柚葵は自分のグラスを見つめながらぼそりと言う。

「相性が合わなかった」

 私は唐揚げを吹きそうになった。すんでのところで飲み込んで、代わりにむせてしまう。

「何、ごほっ……それ」
「大丈夫か?」
「それって、つまりその、相性だよね? そういうのってわかるもんなの?」
「そりゃわかるだろ。俺は堅苦しいの嫌いなのにあっちはやたら高そうなレストランに行きたがるし、俺は基本的にひとりで出かけたいのにあっちはずっと一緒にいたいって言うし、俺が家でサッカー見てたらつまんないとか言って勝手にチャンネル変えるし、とにかく趣味も好きなものも話も合わなかったんだよな」

 淡々と語る柚葵を見て、私は呆然としてしまった。
 そして我に返る。

「あ……そういう、相性」

 すると柚葵は一瞬表情が固まったあと、にやあっと笑った。

「何のことだと思ったんですかあ? 綾サン」

 わざとらしくイタズラな笑みを浮かべながら私の顔を覗き込む柚葵を見て、私は猛烈に恥ずかしくなってフードメニューで顔を隠した。

「デザート食べたい!」
「お好きにどうぞ」

 柚葵は飄々とした態度で返した。
 それがまたムカついた。

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