俺様同期の執着愛
 ラーメンを平らげたあと、外へ出たら風の冷たさに加えて手の甲がわずかに濡れた。

「あ、雪だ……」

 ちらちらと舞う雪に思わず感動してしまった。
 めったに雪が降らない場所で暮らしていると、雪を見るだけでテンションが上がる。

「雪だるま、作れるかな?」

 柚葵がふとそんなことを真顔で呟いて、私は思わず吹き出してしまった。

「なになにー柚葵、可愛い!」
「なんだよ、作るだろ」
「作らないよ。子どもみたい」

 でも、私はふと頭に思い描いてしまったんだ。
 柚葵が子どもたちと庭で雪だるまを作っているところ。
 きっと彼なら思いきり楽しんで作るんだろうなって。

「そんな笑うことか」
「ごめん。あまりにも似合うなあって思って」
「何が? 雪だるまか」
「うん。楽しそう。ひとりだったらしないけど、柚葵と一緒なら公園とか庭で雪だるま作ってみたいかも」

 ハッとして立ち止まった。
 私は今、心の声をうっかり口に出してしまった。
 まだ酔っていることにして誤魔化しておこう。

「あはは、なんてね」
「じゃあ、広い庭を造らないとな」
「えっ……?」
「雪遊びができるくらいの家」

 それは、どういう意味で言っているのだろう?
 これは、どう返せばいいのだろう?

 風が冷たいはずなのに、私の体は一気に熱を帯びて、ちっとも寒くない。
 それどころか、柚葵のまっすぐな視線に混乱している。

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