俺様同期の執着愛
「ビール飲みます?」
「ああ、そうだな。君は何か注文する?」
「うーん」

 正直、もうあんまり飲みたくない気分だから、お茶にしようかな。
 飲み物を注文したあと、彼が唐突に切り出した。

「俺、山本って言うの。前から佐々川さんが気になっててさ」

 何を言い出すんだろう、この人は。
 こんなに大勢の人がいる前だし、普通はまず世間話をして、そういう話になったらどこか別の場所でこっそり言うものじゃないの?
 もしかして、合コンと勘違いしてる?

「そ、そーですか……」

 微妙な反応しかできない。

「彼氏いるの?」

 いきなりそれはセクハラ発言ですよヤマモトサン。
 などと言えないから、笑って誤魔化す。

「あはは、プライベートなことなので」

 彼は注文したビールを、私は温かいウーロン茶を手に持ち、彼の合図で乾杯した。

「俺はさ、結構おとなしい子が好みなんだよね。ぐいぐい来る子は苦手っていうか……」
「そうなんですねー。私は割とうるさいほうですね」

 さくっとその真逆を口にする。
 それにしても、なんだろう。この既視感。
 胸の奥がざわざわする。

「やっぱりさ。大人の男としては女の子をリードすべきだと思うんだ。女の子にヘコヘコしてるのってカッコ悪いだろう」

 あ、この人、恭一さんに似てるんだ。

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