俺様同期の執着愛
 翌週、会社に出社したら、柚葵が最寄り駅の改札前で待ち構えていた。
 特に待ち合わせしたわけでもないのに、時間ぴったりで不思議。
 でも、よく考えてみたら今までも同じ時間帯の電車でよく一緒になるから、いつも通りなのかなって思う。

「おはよう、柚葵。そして久しぶり」
「久しぶりすぎて俺のこと忘れてんじゃねーかと思った」
「そんなことあるわけないでしょ。はい、遅くなったけどお土産。鞄に入るくらいの大きさにした」

 私はお土産の小さな紙袋を柚葵に手渡した。
 柚葵はそれを手に持ったまま歩き出す。

「具合はいいのか?」
「元気だよー。熱さえ下がれば普段となんら変わんないんだけどね」
「よかった。じゃあ、金曜日。おしゃれして来いよ」
「いいけど、なんで?」
「内緒」

 なんだろう、もったいぶって。
 だけど、私はその意味をすぐ理解した。

 金曜日といえば、私は柚葵のマンションに泊まっていた。
 今は気持ちが通じ合っているのだから、ちゃんと彼女としてお泊まりするんだよね。
 そう思うとちょっとだけ緊張して、わくわくした。

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