俺様同期の執着愛
「そうだ。プレゼントがあるんだ」
「まじか。俺いらないって言ったのに」
「何もないのは寂しいよ。普段使いできるものならいいかなって思って」

 私が渡したのはハンカチだった。
 黒とブルーの模様のシックなデザインだ。
 柚葵はやっぱり黒が似合うと思ってこの色にした。

「……これ、一生使えねえよ」
「なんでよ。使ってよ」
「綾芽がくれたものは死ぬまで大事に保管しておく」
「使ってね!」

 私はにっこり笑って協調しておいた。

「俺も実はプレゼントがある」
「え? 自分はいらないって言ったのに……もし私、本当に用意していなかったら酷い女だよ」
「いいんだよ。俺へのプレゼントは綾芽そのものだから、他の物はいらない」

 柚葵は最近、さらっととんでもないことを言うなあと思う。

 小さな箱を開けてみるとピンクゴールドのブレスレットだった。
 花の形がいくつも連なってて、所々に蝶の形もある。

「わあ、可愛い」
「これから順番にプレゼントするからさ」

 柚葵はワインを口にしながら、笑みを浮かべて言った。

 順番――?

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