俺様同期の執着愛
 ところがまあ、見事に新年から大凶の効果が炸裂していた。

 たとえば朝、寝坊して急いで走ったけどバスが行ってしまってそのあとなぜか遅延で20分待たされ、どうにか電車に乗ったら見知らぬ人がカーブで体勢を崩して私に思いきりぶつかってきたのになぜか睨まれたり。

 社内ではなぜかコピー機が私のときに壊れて修復もできず業者を呼ぶことになり、周囲から怪訝な目で見られるという。

「気にするな。お前が壊したわけじゃないじゃん」

 などと柚葵は励ましてくれたけど、周囲は微妙な空気だった。

 昼休みにお弁当を食べようとしたらおかずをひっくり返した。
 これは自業自得だけど、悲しくなってしまった。

「俺のパン半分こしよ」

 柚葵がカツサンドを半分くれたので救われた。

「はあ……なんか、地味についてない。大凶の影響かな」
「可愛い大凶だな」
「笑いごとじゃないよー」

 柚葵は「ごめんごめん」と言ったけど、私はめちゃくちゃ気にしているんだよ!

「命取られるような不運でなければ、だいたい平気だ」
「あんたみたいにメンタル強くないのよ私は」
「じゃあ、今夜メシ食いに行こう。なんでも奢る」
「ほんと? すき焼きか鍋がいい」
「どっちも食えるとこがあるぞ」

 柚葵がスマホで検索して店を表示した画面を見せてきた。

「ふふ、ありがと」

 ひとりだと本当に落ち込んでしまうだろうけど、柚葵のおかげですぐに元気になれた。

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