俺様同期の執着愛
【柚葵のターン】

 俺は今、ものすごく歓喜に湧いている。
 どさくさにまぎれて綾芽と同棲することに成功した。
 まあ、どうせ近いうちに結婚する予定だが(順調に貯蓄と計画を準備中)一日でも早く一緒に暮らしたい!

 大凶の不運を嘆く綾芽には申し訳ないが、俺にとっては中吉の効果が出ているというものだ。
 口には絶対出せないけどな。

「ありがとう。柚葵がいなかったら、私は本当にどん底だったよ」
「大袈裟だな。心配するな。俺が運気上げてやるから」

 となり合って夜の町を歩きながら、俺は綾芽の手を握った。
 すると綾芽は満面の笑みで、ごく自然に指を絡ませてぎゅっと手を繋いだ。

「引っ越しの準備しなきゃなあ」
「手伝いに行ってやるよ」
「ほんと? 捨てるものいっぱいあるからゴミがたくさん出るよ」
「その身ひとつで来てもいいのに」
「さすがに大事な物は持って行くわ」

 そんなやりとりをしながら、今後の生活についてふたりで語った。
 家賃と光熱費は今まで通り俺が払うと言ったら、綾芽は食費を出すと言った。

「お前が金出す必要ないじゃん」
「そういうわけにはいかないよ。私も働いているのに」

 どうせ俺の貯金ぜんぶ綾芽のものになるのにな。
 まだ言わないけど。

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