俺様同期の執着愛
「ほら、こっち向いて」

 柚葵に肩を掴まれ、私はくるりと体を反転させた。
 見上げると柚葵の顔がある。暗い室内で目が慣れてきたせいか、今は彼の表情がちゃんと見える。

「口にはしないから」

 彼はそう言って、代わりに私の首筋や胸もとにキスを落としていった。
 彼の触れる唇の感触はいつもみたいな少し乱暴な態度とは違って、すごく丁寧で優しい。

 柚葵がこんなに優しく触れてくるなんて、思いもしなかった。
 どうしよう。気持ちいい。それに、ドキドキしすぎて心臓が壊れそう。

 私がぎゅっと目をつむってその感覚に酔いしれていたら、柚葵の手がふわっと私の髪を撫でた。
 目を開けると彼はやわらかく微笑んでいた。

「大丈夫。絶対痛くしないから」
「ゆず、き……」
「そんな顔すんなよ。可愛すぎるだろ」

 柚葵が可愛いって言った。何それ。恥ずかしいよ。

 彼は笑みを浮かべたまま避妊具を口でぴりっと開封した。
 その姿もめちゃくちゃかっこいいんですけど!
 相手は柚葵なのに、なんでこんなにドキドキしてるの?

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