俺様同期の執着愛
「ご、ごめん。酔っていたとはいえ、浅はかだったわ。別れたばかりなのにこんな……」
「いや、いいって。割り切ってやっただけじゃん」

 柚葵にあっさりそう言われて拍子抜けしてしまった。
 私は結構ドキドキしてたのに……そっか。柚葵はあくまで目の前の女を相手にしただけなんだ。

「そんな端っこだと落ちるぞ。こっちこいよ」
「え? でも……」
「いいから。もうぜんぶ見た」
「く、暗かったし」
「俺は見たよ。お前のぜんぶ、見たし触ったし舐……」
「言わなくていいよ!」

 布団をぎゅっと握りしめたままじっと柚葵の顔を見ていたら、彼がいきなりくしゃみをした。

「さ、っむ……」
「あ、ごめん」

 柚葵は布団からはみ出ていた。
 冷房がよく効いている。
 慌てて柚葵に近づいたら、彼がいきなり私の腕を掴んで自分に引き寄せた。

「綾ちゃん、捕まえたー」
「ちょっと、何……」
「お前の体温がちょうどいい」

 柚葵は半ば強引に私を抱き寄せると、ぎゅっと腕に力を入れた。私は柚葵の裸の胸に顔を当てることになって心臓が爆発しそうになった。
 だけど、柚葵の鼓動も速くなっているのに気づいた。

 まさか、私にドキドキしている、なんてことないよね?

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