俺様同期の執着愛
【綾芽のターン】

 そっか。そっかあ。
 柚葵は自由でいたいんだ。
 だったら、とうぶん恋人は作らないんだろうな。

 あれ? なんか、ちょっと残念な気持ち……。
 いやいや、まさか。柚葵相手に何考えてんの私!

「ごめんね、聞いちゃって。嫌なこと思い出させたね。私がいろいろ柚葵に相談に乗ってもらったから私も柚葵の話を聞いてあげたかったんだけど、余計なことだったね」
「別に。んなことねーよ」

 柚葵はそっぼを向いてくしゃくしゃと自分の頭をかく。それで髪が跳ねてしまって、それがなんだか可愛くてたまらない。

「大丈夫だよ。柚葵ならすぐ彼女できるよ」

 まあ、今はそんな気はないかもしれないけど。
 
「あ、でもそうなったら私との関係は解消かな? さすがに彼女できてこんな関係は続けられないしね」

 柚葵とは相性は悪くないんだけど、むしろすごくいいけど、それだけで付き合うわけにはいかないもんね。
 付き合うためにはお互いの価値観も大事だし、一緒にいる上で尊重し合える関係でないと難しいよね。

 恭一さんはすごく優しかったけど、私と価値観が違った。だけど、私が彼に合わせるのが当然って感じだったし、今思えば無理していたんだなって思う。

 柚葵とは好きなものが一緒で今は楽しいけど、もし付き合ったら彼も変わってしまうかもしれない。
 今はこの関係が一番心地いいかも。

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