俺様同期の執着愛
「あなた、柚くんの同僚なの? 見かけたことあったかしら?」

 おおい、頼むから綾芽に話しかけないでくれよー。

「彼とは同期なんです」

 綾芽は短くかつ冷静に返事をした。余計なことを言わず、事実だけを述べる。綾芽のいいところだ。
 だが、これ以上綾芽を関わらせたくない。

「すいません、今日は同期同士で出かけてるだけなんで」
「異性の同期とふたりきりでごはん行く?」
「えっ……」

 いやいやいや、そこは空気読んでくれよ。
 別れたんだから綾芽をそういう目で見るなよ。

 俺が言葉に詰まっていると、綾芽がすかさず返答した。

「行きますよ。私たちの同期はみんな仲が良くて、よく食事に行ったり相談事をしたりするんです。みんなそんな感じだから、特別何かあるってことはないですね」

 綾芽は真顔で冷静だ。
 いや、そうなんだよ。わかるよ。たしかに俺たち同期組は結構個人的に遊びに行ったりするんだが……。

 綾芽にすっぱり俺は特別じゃないと言われると、結構ずっしりくるな。

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