俺様同期の執着愛
 この日の試合は私たちふたりの推しのチームではなかった。お互いにどちらを応援するか決めて、会場の熱気とともに盛り上がって、試合終盤に私の応援するチームがゴールを決めて、思わず立ち上がって歓声を上げた。

「やったあー!」
「オフサイドだって」
「え? うそおーっ!」

 涼しい顔で腕組みをして座っている柚葵のとなりに私は静かに腰を下ろす。
 彼の言うとおり得点は無効になった。

「ぜんぜんそんなふうに見えなかったのに」
「甘いなー綾チャンは」

 にやにやしながらも試合から一切目を離さない柚葵を私は半眼で見つめた。
 柚葵はちらりともこちらへ目を向けない。

「しかし今のすげーな。トラップからのゴールが見事だった。入っていれば大きいぜ」
「柚葵、詳しいね。サッカーしてた?」
「小学校から大学まで」
「え? そんなに長く? じゃあプロ目指してたんだ」
「そんな簡単じゃねーよ。命がけだからなあ。怪我したらアウトだしな」

 真剣な顔で淡々と語る柚葵の横顔をじっと見ていたら、なんだか切なくなってきた。それにほんの少し、胸が熱い。

 やだ、私、ドキドキしてる。顔も火照ってきた。
 これって会場の熱気のせいだよね。

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