俺様同期の執着愛
「どうして努力したの?」
「だってお前、同期飲みのときに言ってただろ。大学時代のトラウマ」
「あ、そうだね」

 大学時代の先輩に付き合って3カ月で二股かけられていたあれだ。いや、それ以上だったかな。結局彼が何人と同時に付き合っていたのか、定かじゃない。

「お前が男に警戒してたから、俺頑張って無害なヤツを演じてたんだ」
「そうだったの?」

 私は少し混乱している。
 柚葵はなぜ今さらそんな話をするんだろう?

「お前のこと、気になっていたのはわりと最初の頃」
「えっ……」

 な、何!? 柚葵は何を告白しているの??

「飾り気がまったくない。化粧もしてるのかわかんねぇくらい」
「それ、褒めてないよね」

 つまり他の女性たちは綺麗にしているのに私は平凡以下だったと言いたいんですね、わかります。

「でもさ、お前去年から急に綺麗になっただろ。あれ、武本のせいだよな?」

 返す言葉が見つからない。
 たしかに、私は恭一さんと付き合い始めてから外見を意識するようになった。
 恭一さんはわざわざ雑誌を持ってきて、そこにいる女性と同じ格好をして同じメイクをするようにと指示していたからだ。
 おかげでずいぶん、おしゃれに詳しくなれたので、それはそれでありがたいと思ったのだけど。

「それが、無性にムカついた」

 柚葵の言葉に私は???でいっぱいになった。

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