異世界転生した先は断罪イベント五秒前!
6.結婚式は彼の隣で
そして案の定というか――、私たちはこの日を迎えた。
国民へのお手振りをしつつのお披露目も終え、控室へと移動して化粧直しなどをしてもらう。少し髪型も変えてもらった。本物のような造花を派手にあしらっている。
「とてもお綺麗ですわ。誰もがレイナ様に見惚れますとも」
「ありがとう」
「それでは、レヴィアス様を呼んでまいります。宴の準備ができましたら、またお呼びいたします」
「ええ、よろしく」
これから結婚披露宴だ。立て続けの儀式に目眩がした。この日のためにたくさんの手順を覚え、こなす度にやっと記憶したことを忘れられるとほっとした。
介添人が立ち去り、少しすると彼が現れた。光沢感のあるグレーのタキシードがよく似合う。
「また一段と綺麗になっているな、レイナ。その花飾りもよく似合うよ」
「そうでないと、あなたの横には立てないわ」
「私なんてただの引き立て役だ。君の美しさに比べれば、ただの石ころにすぎないよ」
側に来られて、剥き出しの肩を舐められる。
「……パウダーをはたいてあるから、やめて」
「私のための衣装なのに、それは酷いな」
「どちらかと言えば他の人のためよ。この結婚によって私たちの子供は王位継承権を持つことになりますよという対外的なアピールのためでしょう」
呆れたように彼がため息をつく。
「相変わらず君には浪漫がない。青といえば静脈だと答えていた時から気付いてはいたけど、もう少し私をその気にさせる言葉を考えてほしいものだ」
彼が座っている私の真横からおもむろにドレスをめくり上げ――。
「ちょ、待って! その気になっているじゃない。これから宴なのよ、何考えてんのよ!」
「私の口説き文句に君があまりにも顔色を変えてくれないからいけないんだ」
「どーゆー意味よ」
「違う君を引き出したくなるということだよ」
彼のキスは上手すぎる。他を知らないから比較なんてできないけど、絶対に上手いと思う。だって、何もかもどうでもよくなってしまう。
「あなたね……化粧直し、さっきしてもらったんだけど。というかあなたの口にも口紅がついちゃってるじゃない。どうするのよ……」
「また直してもらえばいい。まだ冷静にそんなことを考えられるのか」
ここで何があったかバレバレじゃない……。
抗議の声は、次のキスで消されてしまう。その間にもドレスがたくし上げられていく。
――あれから、彼との仲は深まっていった。
物静かなブレンダにアーロンはよく話を振り、詩的な表現の多い彼女に少しずつ惹かれているようだった。それでも婚約者として私を立てようとする彼が可哀想にもなり、学生であるうちにアーロンとは婚約を解消してレヴィアスと結び直した。
友人以上恋人未満といった感じだったはずなのに、婚約を結んでからは本領発揮とばかりに口説いてきて……。
「疲れただろう、レイナ。宴が始まる前にリラックスさせてあげよう」
「いらない、心底いらないわ!」
「いつまで私を拒否できるのか楽しませてもらおう」
「拒否じゃないから! よ、夜ならどれだけだっていいから……っ」
「いつでも妻を満足させるのが、夫の務めというもの」
ゲームの中でエス寄りだったこの男は、私相手でもやっぱりエス寄りだ。
国民へのお手振りをしつつのお披露目も終え、控室へと移動して化粧直しなどをしてもらう。少し髪型も変えてもらった。本物のような造花を派手にあしらっている。
「とてもお綺麗ですわ。誰もがレイナ様に見惚れますとも」
「ありがとう」
「それでは、レヴィアス様を呼んでまいります。宴の準備ができましたら、またお呼びいたします」
「ええ、よろしく」
これから結婚披露宴だ。立て続けの儀式に目眩がした。この日のためにたくさんの手順を覚え、こなす度にやっと記憶したことを忘れられるとほっとした。
介添人が立ち去り、少しすると彼が現れた。光沢感のあるグレーのタキシードがよく似合う。
「また一段と綺麗になっているな、レイナ。その花飾りもよく似合うよ」
「そうでないと、あなたの横には立てないわ」
「私なんてただの引き立て役だ。君の美しさに比べれば、ただの石ころにすぎないよ」
側に来られて、剥き出しの肩を舐められる。
「……パウダーをはたいてあるから、やめて」
「私のための衣装なのに、それは酷いな」
「どちらかと言えば他の人のためよ。この結婚によって私たちの子供は王位継承権を持つことになりますよという対外的なアピールのためでしょう」
呆れたように彼がため息をつく。
「相変わらず君には浪漫がない。青といえば静脈だと答えていた時から気付いてはいたけど、もう少し私をその気にさせる言葉を考えてほしいものだ」
彼が座っている私の真横からおもむろにドレスをめくり上げ――。
「ちょ、待って! その気になっているじゃない。これから宴なのよ、何考えてんのよ!」
「私の口説き文句に君があまりにも顔色を変えてくれないからいけないんだ」
「どーゆー意味よ」
「違う君を引き出したくなるということだよ」
彼のキスは上手すぎる。他を知らないから比較なんてできないけど、絶対に上手いと思う。だって、何もかもどうでもよくなってしまう。
「あなたね……化粧直し、さっきしてもらったんだけど。というかあなたの口にも口紅がついちゃってるじゃない。どうするのよ……」
「また直してもらえばいい。まだ冷静にそんなことを考えられるのか」
ここで何があったかバレバレじゃない……。
抗議の声は、次のキスで消されてしまう。その間にもドレスがたくし上げられていく。
――あれから、彼との仲は深まっていった。
物静かなブレンダにアーロンはよく話を振り、詩的な表現の多い彼女に少しずつ惹かれているようだった。それでも婚約者として私を立てようとする彼が可哀想にもなり、学生であるうちにアーロンとは婚約を解消してレヴィアスと結び直した。
友人以上恋人未満といった感じだったはずなのに、婚約を結んでからは本領発揮とばかりに口説いてきて……。
「疲れただろう、レイナ。宴が始まる前にリラックスさせてあげよう」
「いらない、心底いらないわ!」
「いつまで私を拒否できるのか楽しませてもらおう」
「拒否じゃないから! よ、夜ならどれだけだっていいから……っ」
「いつでも妻を満足させるのが、夫の務めというもの」
ゲームの中でエス寄りだったこの男は、私相手でもやっぱりエス寄りだ。