好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~

憧れの先輩

~小糸~

やっぱりかっこいい…。



バイト先の花屋にいつも来る彼。



同じ学校の風里(ふうり)先輩。



180cmはありそうな身長と、きりっとした顔つきに大きくて丸い目。



いつも優しい笑顔を浮かべる穏やかな先輩は、あたしの憧れ。



「4700円になります」

「はーい。いつもありがとう」



あたしは、お店から出て行く先輩をぽーっと眺めていた。



あたし、鶴巻 小糸(つるまき こいと)は、普通の高校一年生。



身長はやや低めで、セミロングの茶髪。



どこにでもいる女子高生。



一方、あたしの憧れ・風里先輩は1つ上の高校2年生。



学校の中でも人気があって、多分すごくモテる。



美術の才能もあって、色んな美術の賞で何度も入賞している。



頭もいいらしいし、欠点なんてどこにもないんじゃないかな…。



あたしのことは、多分同じ学校だって認識すらされてない。



廊下ですれ違っても見向きもされないもんな…。



高校に入学してすぐ始めたバイトは、始めて1か月になる。



先輩からは一応、最近増えた店員とは思われてるみたいだ。



週に1、2回先輩がお店にやってくるときがあたしの癒しの時間だ。
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