好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~
それからあたしは亜子さんによって洗いざらい吐かされてしまった。



「きゃ~、一緒にお風呂入ったの? えっち~!」



なんでこんな話してるんだろう…。



亜子さんの聞き出し方がうまいから…。



「あのイケメンに抱かれるとか超うらやましい」

「想像しないでくださいっ」

「ごめんごめん、つい」

「風里先輩はあたしのです…」

「おお、いいねその感じ」



何がですか~…。



なんてあたしたちがやってたら、結くんがやってきた。



「結くん! どうしたの?」

「近く来たから。どうしてるかなって」

「元気にバイトしてるよ~」

「あとどのくらい? 一緒に飯食おう」

「あっ…ごめんね。今日は先約が…」



あたしの言葉に結くんが「そ…」とそっけなく返事した。



わざわざ来てくれたのに申し訳ない…。



「君、よく来るけど小糸ちゃんとどういう関係?」



亜子さんが面白そうに結くんに聞く。



「別に…。ただの幼馴染です」

「ふーん、『ただの』ねえ…」



亜子さんは結くんに悪戯っぽい視線をそそぐ。



な、なに、この雰囲気は…?



「あたしもうバイト上がるからよければあたしと一緒にご飯食べようよ」



亜子さんが言った。



結くんは若干引き気味。



「えっ、なんでっすか…」

「まあまあ。イケメンとご飯食べたいし。話聞いてあげるよ」

「はあ…?」



そのままバイトを上がった亜子さんは、本当に結くんを連れてお店を出て行った。



変なの…。
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