好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~
それからしばらくしてあたしもバイトの時間が終わり、先輩との待ち合わせ場所へ。



待ち合わせ場所にはすでに先輩が来ていた。



寒そう…。



「先輩!」

「お。おつかれ~」

「寒い中待たせてすみません!」

「全然だよ」

「行きましょう!」



先輩と手を繋いで歩き始めた。



入ったのはおしゃれなイタリアン。



ワインがおいしいお店らしいけどあたしたちは未成年だからね。



パスタ食べよ~。



そのとき、店の端に結くんと亜子さんが見えた。



なんか話し込んでる…。



亜子さんがワインを飲みながら結くんの話をうんうん聞いてて。



なんの話してるんだろう…。



あたしがお店の端に視線を向けているのに風里先輩が気が付いて、その目線の方向を追った。



「あれ、小糸ちゃんのバイトの先輩と結人くんだ。仲良いの?」

「いや、全然…。今日なぜか一緒にご飯食べに行こうって亜子さんが誘って…。なんの話してるんだろう…」

「へえ~、謎だね」



本当に謎だ…。



あとで何の話をしてたのか亜子さんに聞いてみたけど、「まあ、いろいろね~」とはぐらかされて教えてくれなかった。



なんなんだ…。



「それより、結人って超かわいいね。なんか仲良くなっちゃった」

「かわいいですか?」

「うん、母性本能くすぐられる」



結くんが…?



全然あたしにはその感覚分からないけど…。



結くんと亜子さんの関係に謎が深まるばかりだった。
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