好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~
それから母さんが「そういえば」と俺の方を見た。



「あんた小糸ちゃんとシた?」

「ちょ…やめなよ」



父さんが母さんを制する。



昔からこういうのに首を突っ込むのは母さんで、父さんはそういうのは苦手なタイプ。



「ちゃんと避妊したよね?」

「したよ…。舐めないでよね」



避妊はしろと昔から教育されてきた。



そういうことはちゃんとしてるつもり。



それから夕食を食べ終えて、姉ちゃんがくれたガトーショコラを食べてから俺もキッチンで作業。



それが終わってから小糸ちゃんと電話でちょっと話して寝た。



次の日、いつも通り公園に行くと、いつもよりちょっと遅く小糸ちゃんがやってきた。



小走りしてるので「走らなくていいよー」と言いながら小糸ちゃんの方に歩いて近づく。



「おはよう」

「おはようございます! すみません、ちょっと寝坊しちゃって」

「そうなんだー。俺も昨日ちょっと寝るの遅くなっちゃった」



小糸ちゃんが俺の前に立ってへへっと笑った。



俺はそんな小糸ちゃんの笑顔がかわいいので頭を撫でる。



「バレンタインですねっ」

「そうだねー」

「はい、これバレンタインのブラウニーです! あたしが作りました!」



小糸ちゃんがそう言って、手に持っていた紙袋を両手で俺に渡してくれた。



「ありがと~!」



袋の中を見ると、可愛い箱に綺麗にラッピングしてある。



「お口に会うといいんですけど…」

「実はね、俺も小糸ちゃんに用意したんだ~」

「えっ?」



俺は言って、同じく持っていた紙袋を小糸ちゃんに渡した。



小色ちゃんがキョトンとした顔でそれを受け取る。
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