好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~
「嫌じゃないです。あたしが触りたいと思う前に先輩が触ってくれるから…」



きゅん!



え~、そんなこと言ってくれるの?



超嬉しいんですけど…。



「じゃあ今小糸ちゃんからチューしてくれない?」



俺がからかい半分にそう言うと、小糸ちゃんがうろたえた。



俺はじっと小糸ちゃんを見つめて待つ。



小糸ちゃんが、俺のジャージをぎゅっと握って、目もぎゅっとつぶってから俺に一瞬触れるだけのキスをしてくれた。



ああ…。



可愛すぎて俺もドキドキしちゃう…。



小糸ちゃんの手を持って俺の胸に当てる。



「ドキドキしてるの分かる?」

「本当だ…。先輩もドキドキとかするんですね…」

「するよ? 小糸ちゃん可愛すぎるもん」



そう言って小糸ちゃんの頭を撫でたら小糸ちゃんが照れた。



それから、小糸ちゃんがもう一回…俺にキスしてくれて。



「…」



俺がびっくりしてる隙に、小糸ちゃんが俺の膝から飛び降りて逃げた。



「ちょっとちょっと…」



俺は小糸ちゃんを追いかける。



小糸ちゃんがキャーキャー言いながら逃げてる。



「捕まえた」



俺はそう言って小糸ちゃんの手を取った。



そのまま手を引いて、俺の胸の中に収める。



小糸ちゃんもおとなしくなった。



そのままおでこにチューして抱きしめたら、小糸ちゃんも俺の背中に腕を回してくれて。



小糸ちゃんが俺の胸に顔をつけた。



「先輩の心臓の音…心地良いです」

「ふふ」

「明日のデート、楽しみだな…」

「誕生日だからなんでも言うこと聞いてあげるよ?」

「今だってこんなに優しいのに…」



だって大好きだもん。



好きな子に優しくする以外の選択肢ないでしょ?



たまにはからかっちゃうけどね。



しばらく2人、そのままそうしていた。
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