好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~
「あたし先輩が何やるのか聞いてないんだけど…」

「そうなの? じゃあびっくりしちゃうかも」



ええ、本当になにやるの!?



その答えは、先輩のクラスに着いて分かった。



「いらっしゃいお嬢ちゃんたち~」



『男装・女装カフェ』…?



入口に立ってるドレスを着た女装のお兄さんがノリノリであたしたちに対応する。



「あれっ、もしかして風里と穂高の彼女さん?」

「あ、はい…」

「ちょっと待っててね~」



お兄さんがそう言ってから教室内に向かって『風里~、穂高~、彼女来たぞー』と声をかけた。



「中入って待ってて」



お兄さんがそう言ってくれたのでとりあえず教室の中に入った。



教室の中は、見慣れない光景。



キリッとしたお姉さんと、プリティーなお兄さん…。



明莉ときょろきょろとその珍しい光景を眺めてたら、風里先輩と穂高先輩が現れた。



ピンクのふんわりしたドレスの穂高先輩が楽しそうに歩いてるのとは反対に、その後ろをこそこそとチャイナドレスの風里先輩が付いてくる。



って、風里先輩、なんかとんでもない美人じゃないですか!?



風里先輩のお母さんにも似てる。



きりっとした顔つきと大きくて丸い目が絶妙に美人な女の人を生み出してる。



先輩が苦笑いしながらあたしに手を振った。



「来なくていいのに…」

「いやいや、先輩美人すぎます」

「小糸ちゃんに美人って思われても嬉しくないもん…。かっこいいって思われたい…」



なんか拗ねてる…。



あたしは先輩の見慣れない姿を見れて結構嬉しい気持ちですが!



「先輩お化粧してる…。自分でやったの?」

「いや…これはクラスの女子がなんかノリノリで…」



クラスの女子…。



クラスの女子にお化粧されたんですか…。



それはなんだかめちゃくちゃ嫌です…。
< 185 / 351 >

この作品をシェア

pagetop