好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~
ちょっとむくれたあたしに先輩はさらに落ち込んだみたい…。



「ごめんね…」

「はい…」



またズーンって…。



文化祭って楽しいイベントじゃなかったっけ…?



あたしは美人な先輩見れて楽しかったけど…。



なんか先輩がかわいそうになってきた…。



一方、明莉と穂高先輩はなんか楽しそう。



「穂高先輩、かわいいです!」

「そう? でも綺麗な衣装着てメイクしたらなんかちょっと楽しかったよ。女の子ってこんな気持ちなんだね」



平和な2人だ。



「一緒に写真撮ってあげようか?」

「いいの? ありがとう!」



明莉と穂高先輩を明莉のスマホで撮ってあげた。



明莉にスマホを返す。



「ありがと~。2人も撮るよ?」



明莉の言葉に風里先輩を見たら、先輩はブンブンと首を横に振った。



そっか…。



ちょっと一緒に撮りたかったな…。



先輩はあたしの気持ちに気が付いたみたいで、そろそろとあたしの顔を見る。



「小糸ちゃん、撮りたかった…?」

「ちょっとだけ…」

「じゃあ…いいよ…」



嫌そう!



でもせっかくだから撮ってもらった。



先輩が引きつり笑いをしてる。



「こんなに美人なのになんでそんなに嫌がるんですか?」

「え~、かっこ悪いじゃん…。小糸ちゃんに見られたくないの」

「別にかっこ悪くないですよ。美人すぎてずっと見てたい…」

「そ、そう…?」



先輩がちょっとだけ嬉しそうになった。
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