好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~
俺はコーヒーとパウンドケーキを注文してから渋々席に着いた。



小糸ちゃんが準備をしているのを俺はストーカーみたいにずっと見てる。



穂高は明莉ちゃんが見当たらなくてキョロキョロしてる。



「ねえ、明莉ちゃんは?」

「あ、今ちょっと宣伝で外歩いてて…。もう少ししたら戻ってくると思います」



その言葉通り、ちょっとしたら教室の入り口からメイド姿の明莉ちゃんが戻ってきた。



穂高がガタッと席を立つ。



「明莉ちゃん超かわいい…」



ほら、その反応になるよね?



明莉ちゃんが俺たちに気が付いてニコニコとこっちにやってきた。



「先輩たち、来てくれてありがとうございます!」

「明莉ちゃん、超かわいい!」

「へへ、嬉しいです」



明莉ちゃんは穂高に笑顔を向けてから仕事に戻って行った。



「風里」

「なに?」



俺は小糸ちゃんから目を離さず穂高に返事する。



「なんか俺…新たな性癖に目覚めそう」

「俺もだよ…」

「来て良かったな…」

「ね…」



キモい男の会話…。



自分がこんなにキモい人間だと思わなかったけど小糸ちゃんがかわいすぎるのが悪い。



小糸ちゃんがコーヒーとケーキを持って俺たちの席に運んできた。



「ねえ小糸ちゃん、今日うち泊まりね?」

「へっ?」



だってもったいないじゃん…。



家でも独り占めして見たいじゃん…。



「先輩…ちょっとキモいですよ…」

「うん…知ってる…」

「まあ先輩が楽しそうでそれは嬉しいですけど…」



うん、すごく楽しい。



小糸ちゃんを写真に収めまくった。



それからもっと長居してたかったけど、後ろがつかえてるから帰ってほしいと言われて渋々小糸ちゃんのクラスを後にした。
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