好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~

信頼関係

~風里~

あれからもたまに綾乃とは顔を合わせることも多くて。



そのたび俺は無視したりしてるんだけど。



っていうか小糸ちゃんに何か勘付かれてる気がする…。



やっぱ言った方がいいのかな…。



「どう思う?」



直くんと加奈乃ちゃんに相談してみた。



「あたしだったら知りたくないな。最後まで隠し通してほしい」

「でもそれって騙してるみたいじゃない?」

「だから最後まで隠し通し切るんだよ。まああたしの考えだけどね」



うーん…。



勘付かれてるならもはや隠し通すのは無理な気も…。



「俺だったら言うけどな。何かあってからバレたら信頼損ねるよ」

「何かって?」

「いや、分かんねえけど、例えば顔合わせてるところに遭遇するとか…」



それは最悪のシナリオだねえ…。



はあ…。



まじでどうしよ…。



いつも隣に直くんたちがいるから、別に今のところ何かされたわけでもないけどさ…。



綾乃が卒業するまであと5か月くらい?



長いよ~…。



小糸ちゃんの受験も今が頑張り時の時期。



俺なんかのことで煩わせたくない…。



でも隠してるのも心苦しい…。
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