好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~

幸せを一緒に

~風里~

小糸ちゃんが一人暮らしを始めてからしばらく。



俺はほぼ毎日小糸ちゃんの家に入り浸っている…。



「ん~先輩? 布団で寝ないと風邪引きますよ…」



小糸ちゃんの家で課題をしていたらいつの間にか寝ていたらしく、トイレに起きた小糸ちゃんに起こされた。



「寝る~…」



そう言って、トイレから戻った小糸ちゃんの背中にだらーっと抱き着いて、一緒にベッドまで行く。



それほど大きくないベッドで、2人くっついて眠るのが俺の幸せ。



小糸ちゃんが夢うつつで俺に抱き着いてくれるのも。



最高~…。



小糸ちゃんの部屋には俺の物がたくさん置いてある。



美術関係の画材を置いてるのはたまに申し訳なくなるけど、これを持って学校に行くから仕方ない…。



母さんからは「あんた小糸ちゃんの家行き過ぎ」とたまに怒られる。



母さんは母さんで寂しいのかも?



いや、俺が小糸ちゃんの家に居すぎなのか…。



だってここから30分くらいで大学行けちゃうし…。



何より小糸ちゃんと2人きりの空間が嬉しいしさ…。



そんな今日は、久しぶりに穂高と明莉ちゃんと4人で遊ぶ。



穂高とはたまに会ってたけど、明莉ちゃんは久しぶりだ。



ちなみに明莉ちゃんも家を出て一人暮らしをしてるんだけど、穂高も俺と同じように明莉ちゃんの家に入り浸ってるらしい。



やっぱりそうなるよねえ…。



高校生のときみたいに4人で集まると、小糸ちゃんは嬉しそうにはしゃいでる。



俺はその顔が見られて良かった…。



4人で近況について話していると、あの頃に戻ったみたい。



でも変わったところもたくさんある。



将来のことについてみんな考えるようになってきてて。



穂高は教師になるために今頑張ってて、明莉ちゃんはまだ将来をどうするか迷ってるみたい。



小糸ちゃんは変わらずスクールカウンセラーを目指してて。
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