好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~
『写真見てたら先輩の声聞きたくなりました』

『そう?』

『電話したいです』



あたしがそう送って、既読がついてしばらく。



ドキドキ…。



『いいよ』



そう返ってきた返事。



やったあ!



あたしは尻尾を振った犬みたいにスマホに飛びついて、通話ボタンを押した。



しばらくして出る先輩。



≪もしもーし≫

「電話ありがとうございます!」

≪いいよ、暇だったから≫

「暇って言っても旅行中ですよね?」

≪大人たちは飲み会開催してるし、姉と従兄は恋人連れてきてて俺だけぼっちなの…≫

「あはは、じゃああたしと電話できてちょうどよかったですね」

≪うん、ありがとう≫



たしかに、電話の奥からは賑やかな声が聞こえる。



夏休みに先輩とこうやって電話できるなんて夢みたい。



「先輩はいつまで旅行行ってるんですか?」

≪あと2日? かな?≫

「へえ~! いいですね」

≪また写真送るよ≫

「わーい」



それからも先輩と色々話して。



「それで、あたし笑っちゃったんですよ」

≪……うん…≫

「先輩? 起きてます?」

≪…≫



寝ちゃった…。
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