好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~
それから学校に着いて、小糸ちゃんとバイバイした。



「風里~、朝からラブラブだな」

「あ、穂高。おはよう」



教室に入ろうとしたら、後ろから穂高に声をかけられた。



穂高には、割とすぐに小糸ちゃんと付き合ったことを報告してる。



普通に祝ってくれたし、『俺も頑張らなきゃ』とか言ってたけど、結局その後夏休みに明莉ちゃんを誘うことはできなかったらしい。



小心者め…。



「お前らが付き合ったから明莉ちゃんともっと近くなれるな!」

「やだよ、2人でいたいもん。穂高は明莉ちゃんを2人きりで誘えるように頑張りな」

「頑張りてえよ~…」



まあ穂高のために遊ぶ口実作ってあげてもいいけどさ。



4人より2人でいたいじゃん?



そして、今日は初日なので始業式だけで終了。



小糸ちゃんと放課後デートとかしたかったけど、小糸ちゃんはバイトだって。



『先輩と付き合ったあとにシフト出してればよかった…』って嘆いてたけど。



まあしょうがないよね。



小糸ちゃんを昇降口で待って、帰りも一緒。



夏休みが明けて、真夏の暑さも少し落ち着いてきた。



「じゃあ、あたしはバイトなのでこっちです…」

「俺も行こうかな。花材買い足したいし」

「本当ですか! やったー!」



嬉しそうな小糸ちゃんに思わず微笑む。



一緒に手をつないでいつもの花屋まで向かった。



「おつかれさまでーす」

「あ、小糸ちゃん…とあのイケメン!?」



着いた花屋では、先にシフトに入ってたお姉さんが、手を繋いでる俺と小糸ちゃんをびっくりした顔で凝視した。



「付き合うことになったの?」

「はい…おかげさまで」



小糸ちゃんが照れたように言う。



「じゃあ先輩…あたしはシフト入りますね」

「はーい、がんばって」



小糸ちゃんから手を離して、小糸ちゃんに手を振った。
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