好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~
「でも…先輩の元カノとか…めっちゃ嫌かもです」



小糸ちゃんがそう言って手の力をぎゅっと強めた。



「元カノ、何人いますか?」

「ん~…3人かな? 中学が2人で高校で1人」



付き合う以外にもいろいろと関係持ってた人とかもいるけど…。



それは言わないでおこう…。



「あたしが知らない先輩を知ってる人が3人も…」

「嫉妬してるの? かわいいね」

「からかわないでください~…」



小糸ちゃんが焦ったように言う。



「小糸ちゃんこそ、今まで好きな人とかいたの?」

「子供の時にちょこちょこいましたけど、こんなに好きになったのは先輩が初めてです。好きとか誰かに告白したこともないし…。初恋みたいな感覚かも…」



そうか…。



なんかすごく嬉しい…。



「そういえばもうすぐ先輩の誕生日ですね!」



小糸ちゃんが俺の方を見てにっこりと言う。



「あ、そう言われればそうだね」

「先輩の誕生日、一緒に過ごしてもいいですか?」

「逆に一緒に過ごしてくださいって感じだよ」



小糸ちゃんが誕生日祝ってくれるのか~。



誕生日になったら、小糸ちゃんと年齢が2つ離れることになる。



2歳も下の子と付き合うことになるなんて、なんか不思議…。



「どこか行きたいところとかありますか?」

「うーん、一緒にいられればどこでもいいよ」

「そんな…。あっ、じゃあたまにはあたしの家とか来ますか? その日ならお母さんも遅くまで帰ってこないので!」

「いいの?」

「はい! いつもお邪魔しちゃってるので…。あたしの家で盛大に祝います!」



じゃあお言葉に甘えよう。



小糸ちゃんの家か~。



あ、部屋とか見れるの楽しみかも…。



いいね、誕生日、楽しみになってきた。
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