雨はまだ降り続いている…〜秘密の契約結婚〜
「奈緒とキスできて嬉しい。奈緒も嬉しい?」

まさか悠翔さんにキスの感想について問われるなんて思ってもみなかった。
恥ずかしいけれど、正直に答えた。

「嬉しいよ…」

「奈緒はキス以上のことをするのは嫌だ?」

悠翔さんはもう先のことを考えているみたいだ。
嫌ではない。寧ろ悠翔さんともっと触れ合いたいと私も思っている。

「嫌じゃないです。私だってしたいと思ってますよ…」

今までずっと悠翔さんに触れたいと思っていた。触れ合える関係になれたことで、もう我慢する必要がなくなった。
それでも悠翔さんは触れる前に確認を取ってくれる。その優しさに誠実さを感じられた。

「あんまり俺を煽らないでくれ。このまま手を出してしまいそうになる…」

想いが通じ合ったその日にいきなり最後まで…というのはさすがに気が引けるのかもしれない。
私としても気が引ける。まさかこうなるとは思ってもみなかったので、色々と準備不足だ。
できれば準備をする時間が欲しい。今はまだ見せられる身体ではない。
それにあまりこういったことに慣れていないので、ある程度心の準備も必要だ。
頭ではそう思っていても、身体は違う。あんなに痺れるようなキスをしたので、火照った身体を抑えきれない。

「聞かれたことに答えただけなので、私は煽ったつもりはないですよ」

「奈緒にその気がなくても、今まで我慢していた分、俺には効果的面なんだよ…」

勝手に悠翔さんは理性的な人だと思っていた。
でも全然違った。男らしい悠翔さんに私の胸は熱くなった。

「私だってずっと我慢してたんですからね。だから悠翔さんだけじゃないです。ずっと我慢していたのは…」

「だから奈緒、それが煽ってるんだって。お願いだからもう俺を刺激しないで」

そうは言われても、好きな人とキスしてしまったら、身体の熱が上昇し、上手く抑えきれない。
最後まではしなくても、もっと悠翔さんと触れ合っていたい。今まで我慢していた分も…。

「それは無理です。先程も言いましたよね?私だってずっと我慢していたので、もうこれ以上我慢することはできません」

もう自分の気持ちを隠さなくてもいいと思うと、悠翔さんへの想いを隠しきれない。
それに自分を求めてくれる悠翔さんが男らしくてかっこよくて。もっとそんな悠翔さんを見てみたいという欲求に駆られてしまい、つい煽ってしまう。

「それじゃ俺が手を出してもいいってこと?」

「いいですよ。もう今日から私達は本物の夫婦なんですから」

「知らないぞ。俺はもう我慢しないからな」
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