雨はまだ降り続いている…〜秘密の契約結婚〜


           *


あれからプランナーさんと打ち合わせを重ねて、無事に色々大事なことが決まっていき、結婚式当日を迎えた。

「新婦様、とても綺麗です…」

式場のスタッフさんがウェディングドレスを着て、ヘアメイクを終えた私を見て、褒めてくれた。

「ありがとうございます…」

「新郎様が見たら、喜ばれると思いますよ。新郎様に声をかけてきますね」

そう言って、スタッフさんは悠翔の元へと向かった。
すると数分後、すぐに悠翔が駆けつけてくれた。

「奈緒、とても綺麗…」

一目見て開口一番、悠翔に綺麗だと言ってもらえた。それだけで全身が熱くなり、顔が真っ赤になった。

「ありがとう…。嬉しい……」

そんな私達を見て、スタッフさん達は微笑ましそうに見守っていた。
でも私達はスタッフさん達に見守られているのが恥ずかしかった。

「もうすぐ本番ですので、それまでごゆっくりお寛ぎください。それでは失礼致します…」

スタッフさん達は全員、控え室から退室した。
いきなり二人っきりにされて、なんだか気まずい。
でもお互いに目が離せない。タキシード姿の悠翔がかっこいい…。

「悠翔もタキシード姿、かっこいいよ」

褒めてもらったので、私も思っていることを素直に伝えた。
すると、悠翔の顔が一気に真っ赤になった。

「あ、ありがとう…。奈緒にそう言ってもらえて嬉しい」

恥ずかしそうにしながら、褒められて喜んでいる悠翔の表情を見て、とても愛おしいと思った。

「ねぇ、悠翔。緊張するけど、良い式にしようね」

皆が笑顔になれる、そんな式になることを願った。

「そうだね。良い式にしよう」

なんてことを話していたら、スタッフさんに呼ばれたので、チャペルへと向かった。
招待した皆が扉の向こうに控えているのかと思うと、一気に緊張感が増した。
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